革新の生命医学情報 No.3


【赤血球分化説①】

「赤血球分化説」とその根拠

古代人と血
 「血」について、古代人の優れた直観のなかには現代の血液学者も気がつかない英知が潜んでいました。古代人が血(チ)を霊(チ)と一体であると観たことや、血という語は東洋はもちろん、英語( Blood )、ドイツ語( Blut )、フランス語( Sang )、またその他ほとんどの国の語も、親と子のつながりを意味し、血の繋がり、血統、血縁、血筋などの言葉になっています。言い換えますと「遺伝」と同義語になっているのです。
 また旧約聖書のなかでも「肉体の生命は血に宿る」と記されています。先人の直観は現代の血液学者よりも血の本質について深い洞察カをもっていたようです。洋の東西を問わず、古代人は血液を神聖化し、あるいは畏れ、またその畏れから血を汚れたものとして忌避したりもしました。モーゼの経典にも「動物の肉は食しても血を啜ってはならない」として厳しい戒律が記されています。一部の信者は今もなおこの戒律を守り何百万人もの人が、輸血反対運動を展開しています。現代医学者たちはこれを迷信として無視していますが、この古代における人々の直観は正しかったことについては後述します。
 血液成分のうちもっとも重要な赤血球は、血液容積の約半分(37~55%)を占め、その数も1立方ミリ中、男性約500万、女性約450万もあります。人体中で何故これほどの容積を占める必要があるのか、これまでの定説の概要について述べ、その後で既成説の盲点を指摘することにしましょう。

既成血液学の定説概要

血液は血管内を循環する液体で、その成分は次のようである。

 血清・・・血しょう中から線維素原(フィブリノーゲン)を除去したもの。
      水分90%で、アルブミン、グロブリンの他諸タンパクも含む。

 ヘマトクリット値・・・男性 40~50%、女性 35~45%


血液の全量は体重の約7%~8%で、血液全量の1/2を失うと生命の危険がある。
また、1/3の失血で急激な血圧降下が現れるが、1/4の失血なら生命の危険はない。

血液が赤いのは赤血球中にある血色素(ヘモグロビン)のためで、動脈血は鮮紅色、静脈血は暗赤色である。この色の違いは前者には酸化ヘモグロビンが多く、後者には還元ヘモグロビンが多いためである。

血液の水素イオン濃度は健康体ではPH約7.4(弱アルカリ性)程度である。

赤血球の作用は全身の組織に酸素と栄養分を補給し、組織からは炭酸ガスや老廃物を運び去る働きをする。

 以上記した血液についての既成学説については、まず異論はありません。但し、血液中の赤血球や白血球の機能については重大な誤謬があるように感じられます。

赤血球に関する既成説と千島学説の相違点比較


 
既 成 学 説
千 島 学 説
形状
円盤型。赤血球膜は弾力性があり容易に変形する。 円盤型→球型→集合→融合→核形成→白血球→細胞
機能
ガス代謝、養分補給、老廃物運搬 左機能のほか、最も重要な体細胞や病的細胞の母体なる機能を有する。
造血
胎児…卵黄嚢→胎盤→肝臓
生後…骨 髄
胎児…卵黄嚢→胎盤→腸絨毛
生後…腸絨毛
運命
115日前後で肝臓・脾臓において破壊される。 常時、体の各種細胞に分化している。破壊などされていない。
特質
細胞核を失って無核であり、最高度に分化した細胞。死の一歩手前の細胞である。 白血球を経て各種体細胞に分化する細胞前の段階である。
管外流出
毛細管先端は閉鎖型のため管外に流出することは通常ない。 毛細管先端は諸所において開放型になっており、常時組織内に流出している。
輸血
血液型適合なら心配はない。 血液型が同じでも個体ごとにタンパク構成が異なる。拒絶反応大。
血小板
骨髄巨核球からつくられ、血液凝固に重要な働きをする。 赤血球崩壊により瞬間的に形成される。出血による環境変化に伴い赤血球が崩壊して内容物を放出する。それが血小板へと変化する。
白血球
顆粒白血球(好中球・好酸球・好塩基球)・リンパ球・単球に分けられる。活発に活動し、好中球や単球は細菌や異物を食菌し、リンパ球は免疫に関与する。 赤血球から各種体細胞に分化する前段階にある形態である。
細菌駆逐
白血球の代表的機能である。 通常、赤血球が細菌に集中し駆逐する。その段階において赤血球が白血球に分化・融合し細菌を取り込んでいる移行像を見誤ったものが既成学説ではなかろうか。白血球の食菌作用には疑問が残る。
白血球・病原性微生物・組織の崩壊物質からなる。 細菌との闘争で破壊された赤血球の残骸中に細菌が自然発生したものである。
リンパ球
白血球の一種で骨髄由来の細胞から分化したもの。脾臓とリンパ節に送られて、ここで分裂増殖する。 赤血球から分化したものである。また、静脈管やリンパ管は組織間隙や最小静脈に端緒を発するものであって、密接不離の関係にある。


 定説とされる既成学説と千島学説との比較は上表のとおりです。
 見たとおり、既成学説のことごとくが根底から千島学説と異なっています。千島学説に述べる上記のような現象を確認することに何も困難をともなうことはありません。注意深く、極力自然の状態に近づけ、時間をかけて観察すれば容易に確認することができます。これまでの自然科学者たちが、ただ目前の状態だけに捉われ、短絡的な判断で「定説」なるものを樹立し、後に続く科学者たちも何ら追試することもなく、それに追随しているのが現状でしょう。
 人の健康や病気治療と直接深い関連をもつ血液、なかんずく赤血球についてこのように誤った解釈が今日もなお世界を横行していては、ガンを始めとする難病・奇病、その他の慢性諸病に苦しむ多くの人々の夜明けはいつになっても訪れることはなく、暗い闇夜の中にまだまだ閉じ込められることでしょう。病める人々にとってのこの不幸が如何に大きく深いものであるかを思う時、じっとしてはおられない、焦燥の念を私は禁じ得ません。

赤血球分化説とは

既成学説は赤血球の機能について最大の働きを見落としています。それは体のすべての細胞に常時分化し続けているということです。赤血球はすべての体細胞の母体となる働きをもっているのです。

~ 赤血球の分化一覧表 ~


~ 赤血球の分化と逆分化模式図 ~
(千島喜久男原図)


赤血球は正常時では体のすべての細胞に分化し、飢餓、断食、その他栄養不足時には逆に細胞から赤血球に分化、いわゆる逆分化する状態を図式化したものです。

数々の誤った既成学説が今なお世界に台頭している原因

 世界のエリートとされる血液学者たちが、新血液理論である『千島学説』に対し率直に関心を向ける姿勢をほとんど示そうとしないことは、実に嘆かわしいことです。
 その原因は前述したとおり、
既成学説を信奉する学者たちのものの観方、考え方が唯物論的、機械論的、形式論理的であるためです。
観方・・・これは肉眼で見ることではありません。心の目で総合的に正しい判断をくだす心眼を意味します。

事実を第一義として理論は系統づけられるべきです。一つの新理論の提唱に対して、それを検討確認する熱意をもたず、既成学説を玉条として信奉する保守的研究者が余りにも多い観があります。

自然科学者たちも人間です。信奉している既成学説を根底から覆すような新説に対して、感情的になり拒絶反応を示すことは無理からぬことかもしれません。

学界というものは学閥が尊重される気風が今も抜けていません。非エリートコースを辿った者が提唱する説に対しては、たとえそれが真実であろうと推測されることであっても、故意に軽視、又は無視しようとする思想が強く残っています。

既成学説に疑問をもつ学者は少なくありません。しかし学界の一般的風潮に逆らうことが、自己の立場に致命的なダメージとなることを恐れ、無視を続ける人が余りにも多いのが現況です。誤りを是正し、人々の幸せに貢献するため真実を語る勇気をもつ学者たちが多く現れることが切望されます。

赤血球がすべての細胞に分化

胎児、幼児時代から脳や肝臓、筋肉等の細胞は細胞分裂なしに増加しています。細胞分裂なしに増加することは学界での定説のようになっていることは事実です。その理由については、いまもって沈黙が守られたままです。また1日に約2000億個もの赤血球が行方不明のままで、これは肝臓や脾臓で破壊されているのだろうという漠然とした推測で終わっています。赤血球の行動をまったく把握できないまま放置されている現状は無責任というほかありません。行方不明の赤血球はすべて体細胞に変わっているのです。

毛細管の先端は閉鎖型になっているというのが既成学説です。しかし組織を観察するとき、毛細管の先端は諸所で開放型になっており、流出した赤血球が組織中に無数見ることができます。ことにガン組織等の炎症部においては、流出した赤血球がガン巣をとりまいている像が明瞭に見られます。ガン巣は細胞分裂で増殖するのではなく、細胞の増殖は赤血球の分化であることを明確に示しています。

顕微鏡写真10~11をご参照ください。

組織を注意深く検索するとき、次段階への移行型中間像が存在することを容易に見ることができます。健康なときには正常体細胞に、病的環境にあるときにはガン細胞等の病的細胞への移行中間像を見ることができます。

顕微鏡写真10~12をご参照ください。

既成学説では赤血球は老化し核を失った死直前の細胞であるとして、1日約2000億個もの赤血球が肝臓、脾臓等で破壊されるという定義に語呂合わせをしている観があります。赤血球の真の姿は細胞以前のもので、幼児と同じ存在です。体内の環境次第で、どのようにでも発達する子供と同じ性質をもつ細胞の卵といえるでしょう。核を失った老化細胞とは赤血球にとって迷惑千万なもので、赤血球に心があるならきっと怒っていることでしょう。

毛細管先端の開放部から組織内に流出した赤血球は、その組織からの誘導作用によって、組織細胞に分化します。誘導は弱い電気信号ではないかと私は推測しています。

赤血球は融合による白血球への移行段階において、漠然とした細胞質中に核(DNA)を合成します。体細胞の新生初期段階です。

万物は時と所の変化につれて変わる(移行像の存在)

 前項「生命弁証法の概略」でお話ししたように“万物は流転する”という考え方は自然界における普遍的な現象です。まったく不変だという事物は、自然界において何一つとしてありません。ことに生命現象というものは絶えず変化を続けています。赤血球もいつまでもその形や構造を保ち続けるものではありません。時間の経過と血流の停止や淀み、あるいは血管外に流出し流れが止まると、除々にその型や性質が変わっていきます.このことは注意深く赤血球の行動を観察すれば、容易に確認できることです。
 形や性質が変わりつつある中間移行像を、まったく別の無関係なものとして無視している限り、この事実を確認することはできないでしょう。不注意と、ことなかれ主義は自然科学の研究に禁物です。

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