(カーボンコロイドを注射したカエルの肝臓)
肝細胞の間隙にある黒色の塊(a→)は赤血球とカーボンが一体となってクッパー細胞となり、それがやがて肝細胞(b→)へ分化する。細胞分裂像は全くない。
赤血球(矢印、やや細長い細胞核をもつ)から、肝細胞(明るい、丸い核をもつ)へ分化する移行過程がみられる。 下方に2個の褐色の塊が見える。これは肝細胞中にメラニン色素が現れたものである。
脾臓の毛細血管は開放型で、赤血球(濃色の細胞核をもつ)とやや明るい細胞質をもつ脾細胞(一種のリンパ球)及び両者の中間移行型の細胞とが混在している。 即ち赤血球は血管外に無数に散乱し、リンパ球へ変わっている。(オタマジャクシの脾臓)
右上方の静脈内の赤血球(赤色)から、それと連続する左下方の明るい細胞群はランゲルハンス島。これは糖尿病を予防するホルモン・・・インスリンを分泌する。 この細胞群の中にはしばしば赤血球が混在している。 ランゲルハンス島の周囲にある多くの細胞群は膵液を分泌する膵腺である。 著者の見解によれば、正常栄養状態の下ではランゲルハンス島から膵腺へ移り変わるが、栄養不足の時は逆に膵腺細胞→ランゲルハンス島の細胞→赤血球へと逆分化する。
左方は中腎で、その中の濃染する細胞核は赤血球及びそれが少し変化して生じたリンパ球様細胞。 写真の中央から右方にかけて、これらリンパ球様細胞のAFD過程(集まり、溶け合い、分化発展)によって右方の大きな明るい細胞核をもつ原始生殖細胞へ変わりつつある様子がよく現れている。 この原始生殖細胞の周囲にも濃染する細長い細胞核をもつ赤血球、または赤血球の分化途中のものが諸所に見られる。 細胞分裂像に似た像(矢印)が諸所に見られるが、これは分裂像ではなく融合像である。
(カエルの卵巣表面の一部)
下方から右上方及び左上方へ血管が分かれており、その血管の拡張した部分に赤血球を混じえた形成中の卵細胞がはっきりと見える。 下左方に1個のやや大きい卵細胞が見えるが、その周囲には多数の赤血球及びその分化途中にある細胞核が卵細胞を取り囲み、これらも次第に卵黄に移行している。
写真の中上方に細精管のすきまを流れる血管とその内部に数個の赤血球(赤色)があり、 その下方左右に2個の細精管の断面がある。 核細精管壁の外面は、血液が流れ(赤色)その中の赤血球か細精管の最外壁に付着して、基礎膜細胞→精原細胞→丸い核をもつ精母細胞を経て管の中央に向かうに従って精細胞→精子の始まり(細長い核)へと移行している。 しかし、睾丸の細精管内にできる精子は受精能力をもたないものである。 本当の精子は写真9に示す副睾丸でできる。
写真の中央を横に走る赤色帯は細精管の周囲を取り巻く血液の流れ (赤い赤血球から、細精管壁細胞→精細胞→精子形成の初期へと移行が見られる)。
(マウスの副睾丸の一部)
写真の大部分を占めている1個の副睾丸の腺管と、それを取り囲む赤血球(矢印で示した鮮赤色)と赤血球が分化して生じた管壁の細胞(濃染した丸い核)、それが次第に細胞核が淡色となり、核が退行して管の中心に向かって明るいモネラ状の層( a )に変わり、管の中心部を至って、 このモネラ中に自然発生した精子( b )(尖った細長い核と尾をもつ典型的で受精能力のある精子)がここで初めて新生する。 睾丸でできた精子がここまで来て成熟したのだという従来の説は実証的ではない。
写真上方から血管が二つに分かれて下行しているが、この血管の先は開放的であり、 赤血球は付近に散乱し、赤血球から分化したリンパ球状の小さな若いガン細胞と混在している。